土星の射手座期 終了間際で土星の話題が続きますが
米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニが
20年という長い長い任務の最終ミッション
「グランドフィナーレ」に突入しています
私としてはとてもとても興味深い話なので、今日は占星術的な記事ではなく
カッシーニについて、NATIONAL GEOGRAPHIC ナショジオから説明を拝借しまして
自分の勉強のためにも まとめておきたいと思います (ただの天文オタク)
カッシーニ
名前の由来は300年以上前のフランスの天文学者ジョバンニ・カッシーニから
命名されました
ウィキぺディアの説明によると天文学者カッシーニは
土星の衛星4つの発見、土星の環は複数で構成されていることや、
環の一番外側の間隙を発見するなど、土星についての発見が多い博士で
子や孫たち4代に渡ってフランスの天文台の所長を務めたほどの天文一家
(天文一家とは書いてない)
最初は占星術の興味から入ったのに本格的に天文学者になって
のちに占星術を批判した、と書いてあります・・・なぜでしょ涙
土星探査機カッシーニは1997年にNASAから打ち上げられました
打ち上げられて20年 一人黙々と太陽系を旅して土星にたどり着き
数々の観測データを送ってきてくれていましたが、燃料がいよいよなくなりつつあり
宇宙観測史上初めて土星の輪の中に突入する という最終ミッションを遂行中
このミッションを完遂したら、9月15日には土星の大気圏に突入して燃え尽きてしまいます
![](https://tsukiakari8.com/wp-content/uploads/2017/05/02.jpg)
(NASA / Jet Propulsion Laboratory – Caltech)
土星の環くぐり
最後の任務、グランドフィナーレは「土星の環くぐり」
土星と土星の環の間にある約2400キロの空間を時速12万キロの速度でくぐり抜けて
22回にわたってF環と呼ばれる環の内部に突入する
今朝の新聞には それに成功したとNASAが発表!と書かれています
えらい!カッシーニ!土星の環くぐっちゃいましたよ
環は、衛星がいたり、空隙や間隙があったりする氷の粒の集まり
カッシーニは今までにも、土星の極地や衛星タイタン、テティス、エンケラドゥス他
多くの衛星を観測し画像約30万枚と、観測データ450ギガバイト近くを送信してきました
衛星タイタンには海や川が存在している事
衛星エンケラドゥスには生命存在の可能性などの発見につながっています
簡単に観測できる土星の環のうち、一番外側に位置するF環は
幅500キロメートルほどの氷の粒の帯状の環
F環には、らせん、ねじれ、こぶといった構造が定期的に現れるそう
これはF環の内側にいる衛星プロメテウス、外側にいる衛星パンドラが
F環の形の維持に関係しているらしく、ひっぱったり通り抜けたりしている。
そのせいか彼らは「羊飼い衛星」と呼ばれる
衛星プロメテウスは、F環を通り抜けて穴を開けることもあるそう
![](https://tsukiakari8.com/wp-content/uploads/2017/05/ph_thumb.jpg)
(PHOTOGRAPH BY NASA)
しかし、環を一部を壊すなんて、すごい壮大な話です
土星は地球の9倍の大きさ
これら衛星たちも水星の大きさくらいあるそうです
地球からしたら、月よりちょっと大きな衛星が
環の中を出たり入ったりして、時には穴も開けたりして
空にいきなり穴があいてる環があるなんて
毎日毎日、見飽きないですね 土星の上空
でもそのたびに、地震が起きたり、大嵐になったりって
もしかすると、きっと大変な現象が起きるんでしょうね
地球のような環境の星だったら、ですけれど・・・
衛星PAN
土星の衛星は49個もあり、その中には土星の環を模したような
赤道付近がふくらんでいるパンと呼ばれる衛星もあります
重力の影響で環の形状を支える「羊飼い衛星」で土星のA環の中の細い空隙を公転
パンは土星の周りを公転しながら、空隙に入り込んできた氷の粒子を
その重力で吸い込んだりはじき飛ばしたりして土星の環を維持している
これらの衛星がきちんと土星の秩序を保っているのですね
![](https://tsukiakari8.com/wp-content/uploads/2017/05/01.jpg)
(PHOTOGRAPH BY NASA)
グランドフィナーレ
このミッションが順調に進めば、土星の磁場や高圧ガスでできた本体を
今までにない精度で観測でき、それによって巨大なこの土星がどのようにできたのかが
わかり始めるかもしれないと、大きな期待が寄せられています
土星の環がいつからできたのか、土星の環の質量など
科学者たちの意見が分かれている環の謎も解き明かされる日は近い
また、土星の北極付近には奇妙な六角形をしたジェット気流があり
六角形の一辺の長さは1万3000キロ余り
この長さは地球の直径を上回る大きさです
これがなぜ長期間にわたって継続しているのか、なぜ六角形なのか
なぜ他の場所では似たような現象が起こらないのか
今はまだ謎ですが、今後の解明が楽しみです
![](https://tsukiakari8.com/wp-content/uploads/2017/05/pia18274_full_600x450.jpg)
(PHOTOGRAPH BY NASA)
プラネタリー・プロテクション
そして、衛星エンケラドゥスには地下に生命をはぐくむ素材があるといわれています
南極には間欠泉があって、101個の間欠泉が水蒸気と氷を噴き上げているため
サンプル収集ができました
その水蒸気を観測した結果、塩化ナトリウムや炭酸塩を検出
有機物と熱源、液体の水、生命存在と維持に必要な3つの要素が全て揃っていた
大規模な地下海・内部海が存在する証拠も発見されていることから
エンケラドゥスは「太陽系で微生物が生息する可能性の最も高い場所」の一つです
![](https://tsukiakari8.com/wp-content/uploads/2017/05/ph_thumb-1.jpg)
(PHOTOGRAPH BY NASA)
カッシーニは任務終了後、土星の大気圏で燃え尽きる予定ですが
落ちる位置は詳細に研究され、
地球のものが他の天体を汚染しない問題のない場所に落ちることになっています
生命存在の可能性から
例えば、過去大航海時代に西洋人が未開の地に行き西洋の動植物や菌を持ち込んでしまい
現地の生態系を駆逐してしまったことがあった というような
他の地域を汚染してしまうという同じ間違いを犯してはいけない
宇宙にもその考えを持ち込み、カッシーニがどんなに 高熱で無菌処理された状態であったとしても遠い場所では何が起こるかわからない
生命のありそうな場所に一切残骸が落ちてはいけないという
「プラネタリー・プロテクション」「惑星検疫」という考え方のもと
問題のない場所で燃え尽きさせる
また、燃え尽きることによって、たとえ制御できなくなった場合でも、
カッシーニが土星の衛星に衝突する事態が回避でき、今後の観測に影響を及ぼさずに済む
そういった事も含めた最後 ということになるそうです
探査機の燃え尽きというと
2010年6月 小惑星イトカワのサンプルリターンに成功した
探査機「はやぶさ」の大気圏突入時に燃え尽きた姿が思い出され 泣けてきます
カッシーニ・プロジェクトの科学者、リンダ・スピルカー氏は
「土星の大気の中で燃え尽きたカッシーニの原子は、土星の一部となって永遠に存在し続けます。いつの日か、そう遠くない未来に再び土星に舞い戻り、カッシーニが成功してきた謎解きの続きを私たちが再開できるよう願っています」
と語っています
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(PHOTOGRAPH BY NASA)
土星が射手座から山羊座へ居を移すのが冬至直前の12月21日
逆行を終えて、一路山羊座へ向かう準備を邪魔しないかのように
順行前にカッシーニは燃え尽きる
まるで土星くんが
「わし、そろそろ自分ち帰るんで 準備もあるし落ち着きたいからもう邪魔しないでねー」
とでも言っていて、「ラジャ!」と了解したように
ちょこまか動いていた地球からの闖入者は去っていきます
まるでこの時期を知っていたかのよう
地球のかけらを土星に少し残して永遠に存在し続けるカッシーニ
あんなに遠い場所に 地球の物質や思いをまとっているものが漂っている
占星術では、制約や責任の重さ、堅実さ、など固く重い象意を持つ土星
楽しい嬉しいだけではなく 重い責任も負うもの
結婚するタイミングは楽しい嬉しい木星を見るだけでなく
実は、土星が回っている位置から割り出せる可能性が高く
アセンダント=1ハウスに来ている時に結婚される方は多いです
身を固めるって言いますよね
それも、華やかな結婚披露宴というより入籍をしたという結婚のしかたになることも☆
12月に本来の住まい山羊座へ戻る土星
今後2年半 真面目さ、固さの部屋に戻って本来の力がますます発揮される時期
土星が本来の場所に戻った時に、地球で土星の研究が加速するとは 粋なはからいです
研究は持続力も必要、時間のかかる孤独な戦い、用心深く慎重に進められるもの
これだけの環や衛星を持っていたらそれは重いでしょう
手伝ってくれている衛星さんたちそれぞれに対して責任重大だろうと思います
その土星に果敢に挑んでいったカッシーニ
あと少し、がんばれ☆
(ミッションの内容はNATIONAL GEOGRAPHICの記事を参考に作成しました)